東北地方のオンラインスタディツアーで災害や復興を学ぶ

2021年3月11日で東日本大震災の発災から10年が立ちました。
みなさんは「東北で起きた災害」と「東北の復興」をどれくらい知っていますか?

今回は、東北の復興と災害を知る「東北地方のスタディツアー」について説明していきます。

そして、新型コロナウイルスの影響で地方遠征が難しい今、スタディツアーをオンラインで参加する方法や事例を紹介していきます。

東北地方スタディツアーとは?

東北地方のスタディツアーとはそもそも何なのでしょうか?

一般の観光ツアーと異なり、スタディツアーとは旅を通じ「学ぶ」ことが目的です。
ツアー先で体験できる社会問題を、体験学習や現地の視察、人々との交流を通して、学ぶことができます。

スタディツアーと聞くと、海外のイメージもあるかもしれないですが、今は国内のスタディツアーも多く企画されています。

今回は、東北地方のスタディツアーで学べるポイントを紹介していきます。

ポイント1:震災の復興と防災

東北地方といえば、まずはやはり震災に目が向きます。

2011年3月11日、マグニチュード9.0、最大震度7の大地震が起こりました。

つづけて大きな津波が起こり、東日本の太平洋側の地域が大きな被害を受けました。
津波の高さは9m以上といわれ、建物の5階まで浸水した地域もありました。

地震の揺れや津波だけでなく、火災、停電、そして福島第一原子力発電所の事故など大規模な複合災害による被害は甚大でした。

しかし10年の間で、東北地方は少しずつ復興に向かって歩みを進めました。

経験したことのない震災を、みんなで必死になって乗り越え、新たな地域づくりを挑戦し続けています。
国内外のボランティアや支援も多くの人を勇気づけました。

このエネルギーにあふれた東北地方の人々や現場には、得られるものがたくさんあります。

命の尊さ
助け合ってきた復興の10年間の歴史
震災の恐ろしさと防災の意識と方法
発電所のあり方
感謝の気持ち

あげだしたらきりがないです。
東北地方のこれまでの歩みには、多くの学びがあるのは言うまでもないでしょう。

ポイント2:自然環境や食の豊かさ

スタディツアーで学ぶのは災害ばかりではありません。
東北地方のリアスの海がもたらす恵みと、人々の暮らしにも触れられます。

三陸沖は世界三大漁場のひとつです。
漁業、養殖業が古くから行われてきたこの地域で、多種多様な海の幸をいただき、海の街の暮らしを体感することも東北のスタディツアーの醍醐味です。

青森から岩手、宮城、福島に至る約700kmの海岸線は、リアス海岸と呼ばれ、三陸復興国立公園、ジオパーク等に認定された壮大な景色を楽しめます。
この地域一帯は、海岸線が複雑に入り組んでおり、変化に富んでおります。
ここまで迫力ある景観は、他では見ることができません。

ポイント3:ものづくりとSDGs

SDGsとは、「環境を守ろう」「貧困をなくそう」などの持続可能な開発目標です。

東北地方の製造業などの企業にはSDGsに取り組んでいる企業が多くあります。
震災復興の過程で、SDGsの視点を持ち、今できることに挑戦している現場は、学べることがたくさんあります。

東北地方スタディツアーの事例

東北地方で学べるポイントを紹介してきましたが、実際にはどんなスタディツアーがあるのでしょうか?

これまでのスタディツアーの事例を紹介していきます。

現在は募集していないツアーもありますので、東北スタディツアー選びの参考にしてくださいね。

東北スタディツアー事例1:復興ツーリズム

視察及び現地の方との対話などによる「体験(アクティブラーニング型)」を通し、震災の実態と復興の今をとらえ、そこから学びえた「気づき」をもとに参加者同士が意見交換を行うツアーです。

内容

岩手の復興現場の視察、交流

時間

2~3日

費用

要相談

ツアー詳細

みちのりトラベル東北公式サイト

東北スタディツアー事例2:震災語り部とジオガイドツアー

震災後新たに作った防潮堤を震災前と同じ高さにとどめ、海と共に生きることを選んだ根浜。
地域のストーリーや、かつての街並み。
あの日あの時、未来への想いを、地元の三陸ジオガイドが案内します。

内容

三陸ジオパークの見所を視察、体験

時間

1日

費用

3,000円(多人数割引あり)

ツアー詳細

東北まなび旅公式サイト

東北スタディツアー事例3:石巻の食と復興をまるっとスタディツアー

石巻市で、海の魅力を知るともに、漁業や食の未来を考えるツアーです。
震災の復興時に個人ボランティア、大学の研究者の方々向けの施設として、つくられたゲストハウスが主催するため、宿泊や料理も楽しめます。

内容

石巻の地域の方との触れ合い、復興と漁業を学ぶ

時間

1泊2日

費用

10,000円

ツアー詳細

ゲストハウスみらい公式サイト

スタディツアーの参加者の声

「実際そんなに参加する価値があるの?」と思う方も多いでしょう。
東北地方のスタディツアーを実際に参加した人たちの声を紹介します。

「来ると来ないとでは大違い。自分が思っていた以上の価値があった。
状況やリアルな実践的な話が聞けた。」

「単独の行政の話だけではなく、消防・自主防・民間企業など多角的なお話を聴けるのが有意義。」

「語り部を聴いて質疑応答で終わる視察が多いが、こういう振り返りを行うことで、自分自身の再発見し、また他人の感覚や価値観を認識できる。有意義な時間であった。」

「自分の人生がまるで他人事のように周りの目を気にして生きてきた。
自分らしい考え方(個性)を大切にしたい。人にプラスの影響を与えられる存在でありたいと感じた。」

「「感じる」ことの大切さを認識した。「考える」のではなく、心を研ぎ澄まして。
そして「謙虚でありたい」と願う。「清濁併せ呑む」ことの葛藤、「精一杯」の行動の難しさに共感した。」

「人と人のつながりの大切さ。自分でやるのが早いときもあるが、信念をそれぞれが持っている。
他者を認めること、コミュニケーションの大切さを実感。」

引用:みちのりトラベル東北公式サイト

思っていた以上の収穫があったといった口コミが目立ちますね。
また、ツアー後に考え方が変わったなど、自身の成長に繋がった実感を得られる人も多いです。

東北地方スタディツアーはオンラインが安全安心

ぜひ参加していただきたいスタディツアーですが、このご時世なかなか難しいかと思います。
そこで、オンラインスタディツアーについて紹介します。

オンラインスタディツアーとは、現地開催のスタディツアーではなく、自宅や学校などからオンラインで参加するツアーです。

新型コロナウイルスで集団行動や遠征が難しい今、オンラインであれば企画しやすいです。
インターネット環境と、パソコンもしくはタブレットやスマートホンで参加できるスタディツアーが多く、長時間の移動や慣れない地域での活動もないため、体力に自信のない人でも参加しやすいのが特徴です。

東北スタディツアーのオンライン開催事例も紹介します。

現在は募集していない可能性もあります。東北スタディツアー選びの参考にしてくださいね。

オンライン東北スタディツアー事例1:東北オンラインスタディツアー2021

オリンパス株式会社と協力し学生向けに企画されたツアーです。
元々現地開催でしたが、新型コロナウイルスの影響をきっかけにオンライン化しました。

フォトジャーナリスト安田菜津紀さんの司会・進行のもと、被災地(岩手県・宮城県・福島県)とオンラインでつなげて、「東北の今」の話を聞くことができます。
参加者同士で対話・交流の時間もあります。

内容

被災地交流

時間

2時間半

費用

無料

ツアー詳細

Dialogue for People公式サイト

オンライン東北スタディツアー事例2:「SDGsローカルツアー2021」

SDGs実現に向けて、地域の未来づくりに関心がある方と交流します。
それぞれの地域資源を活かした取組や新しい生活様式による変化、そして持続可能な地域の未来の実現について、事例を中心に取り上げます。
参加者が自ら取り組める活動に気づき、ローカルSDGsの実践に参画することを目指すスタディツアーになります。

内容

復興現場の視察、交流

時間

2時間

費用

無料

ツアー詳細

EPO TOHOKU

東北地方以外も!国内のオンラインスタディツアー

今回は東北地方のスタディツアーについて説明していいましたが、国内には他にも魅力的なスタディツアーエリアはたくさんあります。

こちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

国内のスタディツアー攻略ガイド!人気スタディツアーをご紹介>

スタディツアーを学校のプログラムに取り入れよう

いかがでしたでしょうか?
実際に体感することで多くを学ぶことができる課外活動をしていきたいなら、安全で手軽に参加できる東北地方のオンラインスタディツアーをおすすめします。

オンラインスタディツアーで東北地方のこれまでの歩みや、今を体感し、これから何ができるのか、何をすべきか、一緒に考えていきましょう。

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