徹底解説!オンライン国際交流で何を学習できるのか?

生徒の視野を広げさせてあげたい
外の世界とつながりたい生徒に学習させてあげたい

コロナ禍で行動範囲が閉ざされがちな中、こんな悩みを解決できるのが「オンライン国際交流」です。

今回は、オンライン国際交流で学べることや、学習を進める際のポイントを徹底リポートします。
実際にオンライン国際交流を行った学校の事例や、体験者の声などもまとめているので、課外活動のオンライン化を目指している方は必見です。

では、オンライン国際交流では、どんなことを学習できるのでしょうか?
具体的には「語学力」「海外の文化や習慣」「コミュニケーション能力」が学べます。
実際にオンライン国際交流を取り入れた学校の事例とともに、解説します。

オンライン国際交流の学習ポイント1:語学力が身につく

オンライン国際交流で使う言語は、交流する国によって異なりますが、世界共通語である英語が多い傾向です。
授業で学んできた単語や文法を国際交流の際に使うことで、生きた英語に触れるきっかけとなり、語学力向上につながります。

語学力向上を目指したオンライン国際交流の事例

インドとモンゴルの高校生と、発表などを通した国際交流を実施。

・自己紹介やプレゼンテーションでの発表をして質問し合う
・「日常生活や課外活動」「SDGsについて」など身近な話題から社会問題まで幅広い題材の発表やディスカッションを行う
・感想や個人目標の達成度合いのシェアをする

実際に体験した方からは

「もっと英語を勉強してコミュニケーションができるようになりたい」

という声が多かったそうです。

「思うように外国語で話が通じない」
「単語だけでも通じて嬉しかった」

などの喜びや悔しい体験が、語学力向上にむけたモチベーションアップにもなるでしょう。

オンライン国際交流の学習ポイント2:海外の文化や習慣を学べる

リアルな海外の文化や習慣を学べるのも、オンライン国際交流で学習できることです。
食・生活・習慣イベントなど、日本とは180度違う文化を学べます。
国際交流をしながら異文化の知見を深めることで、新たな気づきや価値観が生まれ、より豊かな人生を過ごすヒントになるでしょう。

異文化交流を目指したオンライン国際交流の事例

オーストラリアの高校と「比較文化研究についての共同学習」を実施。

・自己紹介、互いの国の文化や学校を紹介しあう。
・自分が住む地域、学校や学校以外の日常生活を紹介しあい、意見交換。
・日本語や英語の表現・慣用句を紹介しあう。
・自国の高校生活や独自の文化を発表しあい、意見交換。

生徒同士が1対1でプレゼンテーションをしあったり、教育特化のSNSを取り入れて交流後もやりとりを続け、疑問を解決できるようにしたりするなどの工夫は効果的です。

まだ海外の人と英語でのコミュニケーションに慣れない生徒にとっては、近い距離で一人ひとりの生徒が確実に異文化交流できる仕組みづくりが大切でしょう。

オンライン国際交流の学習ポイント3:コミュニケーション能力

オンライン国際交流は、コミュニケーション能力を培う良い機会にもなります。
特に、多くの国では自分の考えを伝えることはごく普通です。
相手の意見を聞いて受け入れることはもちろん、自分の意見を伝えられるようになることは、これから一層求められる能力でしょう。

コミュニケーションを目指した国際交流の例

シンガポールの高校と「ディベート&ディスカッション」を月1回で実施。

・事前にテーマを決めて調査や議論をしておき、準備をもとに当日は両校が話し合う。
・「動物実験は禁止すべき」「厳しいより優しい先生のほうがいい」など多角的な論題。
・ディスカッション中は、意見を言ったり賛成・反論したりして、交流をする。
・ビデオレターを作成して交流をする。

単なる会話で終わるのではなく、自分の考えを伝え合うディスカッションをすることで、一歩踏み込んだ深いコミュニケーションができます。
事前リサーチでの文化比較や、ディスカッション中での価値観の違いに気づくなど、得るものが多いです。

英語や話し合いに慣れていなくとも、まずはやってみることが大切でしょう。

オンライン国際交流で学習する際のポイント

オンライン国際交流を、効果的な学習につなげるポイントを紹介します。
オンライン国際交流を取り入れた各学校が工夫したことを以下にまとめました。
「事前準備」と「交流中」の2つに分けてみていきましょう。

オンライン国際交流「事前準備」のポイント

オンライン国際交流で事前準備のポイントは、次の通りです。

・最終目標の設定をしっかりと行う。
・事前に各校の担当者同士で、メールやオンライン会議で打ち合わせやネット接続確認をする。
・教育用のオンラインツールやSNSを使って、家でも交流ができるようにする。
・定期的に「English Day」をつくり、英語を話す機会を増やしておく。
・オンラインだけではなく、文通やプレゼント交換など、温かな交流も行う。

ゴールを設定したり、生徒の意見を聞いたり、語学力やコミュニケーション力を向上させるために練習時間を多くとったり、、

あくまでも「生徒主体」をメインに置いて進めていくことが大切でしょう。
当日、万が一通信トラブルがあってもスムーズに対応ができるよう、事前に接続確認を多めに行っておくこともオンライン国際交流においては重要な準備です。

オンライン国際交流「交流中」のポイント

オンライン国際交流での、交流中のポイントは次の通りです。

・一人ひとりが主体的に参加できるよう、ディスカッションを少人数で行う。
・話し合いの答えや考えの違いなどを生徒自身で見つけられるように、ディスカッション中に大人はあまり介入せず見守る。
・Zoomのブレイクアウトルームを使い、交流相手を数回変えて、同じ内容を何度も話す機会を与える。

話さないと伝わりにくいオンラインだからこそ、交流中は一人ひとりがしっかり話せるように工夫することが大切でしょう。

オンライン国際交流で学習する際の注意点

オンライン国際交流をする際は、オンラインならではの注意点があります。

・時差を考える必要がある。
・交流中に接続が不安定にならぬよう、大人数が一斉に使っても安定するネット環境を整える。
・Zoomなどオンラインツールの正しい使い方を教えておく。
・1回きりで終わるのではなく、継続して取り組めるようにする。
・生徒とコミュニケーションをとり、生徒の不安や悩みを緩和する。

時差や相手校の状況など「交流セッティング」はもちろん、接続環境や使い方の周知など「オンラインツールの普及」を行うことが大切です。
また、生徒に寄り添ったコミュニケーションを図り安心して交流に臨んでもらったり、継続して交流の機会を設けたりすることで、より深い発見や経験の糧となるでしょう。

オンライン国際交流を体験した人の声

「オンラインでの国際交流は本当に意味があるのか?」
このように思う方も多いでしょう。
実際にオンライン国際交流をした人の声をご紹介します。

1:高校教師の声

「グローバル化が進んだとはいえ、高校生が外国の同世代の人たちとコミュニケーションできる機会はそんなに多くはありません。
しかも、”楽しい”異文化交流の枠を超えて、授業に一緒に取り組むという内容の濃さは、生徒たちにとって大きな刺激だと思います。
授業はもちろん英語ですから、英語の授業とは異なる、生きたコミュニケーションも出来ます。想いが伝わらないこともあれば、小さなことでもコツが分かって、伝わる喜びや自信も得てくれたと思います。
そして、暗記のテストではなく、実社会に働きかける企画に携わることも大きかったと思います。
高校生に出来ることは限られているのかもしれませんが、学校外の人たちと連携したり発信したり、生徒たちは大きな達成感を得られたと思います。」
引用:With The World

単なる異文化交流で終わるのではなく、授業の一環として社会問題なども考えながら海外の生徒と一緒に何かを作り上げることは、かけがえのない経験です。
さらに実際に海外の人々と話す機会があることで、生きたコミュニケーションを練習する場となり、グローバル化にも動じない感覚を養えることでしょう。

2:中学生の声

「最初の嫌だなという気持ちがなくなった。会うのが楽しみになっていた。
単語を繋げるだけでも伝わるよと言われて少し楽になって話せるようになった。
リラックスすれば結構自分の中から単語は出てくるんだなと思った。次は文法に気をつけて言えるようにしたい。

学校のオンライン英会話ではその人自身の意見を聞くことが少ないので、今回のプログラムでとても貴重な体験をすることができた。
海外の人をテレビやインターネットの中でしか見たことがなかったので、より身近に感じられたし、海外と日本の文化の違いについて知ることができた。
日本の文化について説明するときに、最終的には全て理解してもらえて嬉しさと達成感があった。」
引用:With The World

日本に住んでいると、海外の人と関わる機会はとても少ないです。
なので最初は上手く話せるか不安な生徒も多いですが「やってみたら意外に楽しい」という声が多く見られました。
「単語だけでも通じた」「新しい考えや文化を知れた」という成功体験は、グローバル化が進む中でいつか必ず役に立つのではないでしょうか?

3:自宅でオンライン国際交流をした高校生の声

「最初の方は緊張していたのですが、同じグループのアメリカの学生が優しくて、つたない英語でも最後まで聞いてくれたので助かりました。
向こうの学生は本当に優しいので、不安があっても全然問題ないです!」
引用:SKYUS

学校だけでなく、自宅でオンライン国際交流ができるプログラムも多く存在します。
相手は日本語勉強者が多い傾向にともない、日本文化の理解や興味がある人も多いです。
お互いが勉強者であるからこそ、より一層楽しく交流ができます。
昔はできなかったことができる今、意図のあるオンライン国際交流は価値の高いツールではないでしょうか?

オンライン国際交流で楽しみながら学ぼう

オンライン国際交流で学べることや学習のポイントなどをご紹介しました。

現地で国際交流をするのが難しくとも、今はオンラインで簡単に海外の人々とつながれます。
英語などの語学力はもちろん、異文化理解やコミュニケーション能力も養えるオンライン国際交流。
さらに加速していくグローバル化にも対応でき、いつか生徒たちがより豊かな暮らしを実現するために大いに役立つことでしょう。

外の世界とつながってみたい!と思う生徒のために、オンライン国際交流を取り入れてみまませんか?

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