スタディツアーでフェアトレードを学ぶ!おすすめツアーをご紹介
世界がもっと良くなればいいな。
貧困のない公正な世界になればいいな。
漠然と頭に思い浮かべることはあっても、実際に言葉にしたり行動に移すのは簡単ではありません。
貧困のない世界を目指すために、途上国と先進国が公平な貿易をするために掲げられたキーワードが「フェアトレード」です。
今回は、フェアトレードをより深く学べるスタディツアーについて説明していきます。
「フェアトレード」とは?
フェアトレードを英語にすると、Fair Tradeです。
直訳すると「公正」な「取引」
実際には公平な貿易を意味しております。
貧困地域の生産者が人間らしく暮らし、より良い暮らしを目指すため、適正な価格と対等な関係で継続的に貿易するという国際的な取り組みのことをフェアトレードと言います。
そのフェアトレードによって生産された商品が、「フェアトレード製品」です。
フェアトレード認証製品を購入することは、貧困地域の生産者をサポートすることに繋がります。
身の回りにあるモノは、たくさんの国や人の手を渡ってわたしたちに届き、生活を豊かにしてくれます。
しかしその裏側には、貧困地域の人々が十分に生活することができない賃金で働き、苦しみながら生産されたモノもたくさんあります。
途上国と先進国、または企業間の取引がそもそもフェアじゃないから、こうしたことが起きています。
その影響で、児童労働者として働き、教育を受ける機会を奪われている子どもも多くいます。
そもそもの背景には、植民地支配や奴隷制度がありました。
奴隷制や植民地支配は終わりましたが、資本主義の競争の中で、弱く不利な立場の人々が、今も不利なまま、なかなか貧困を抜け出すことができないでいます。
そんな中、貧困地域の人々を守るため始まった取り組みがフェアトレードです。
フェアな取引をして、お互いを支え合おうというコンセプトのもと、世界に広がりつつあります。
フェアトレードの基準には、上記に記載しているような、労働者に適正な賃金が支払われることや、労働環境の改善があります。
その他にも、自然環境への配慮、地域の社会・福祉への貢献、子どもの権利の保護なども含まれます。
色々な国際問題の改善に繋がる取り組みですね。
日本で代表的なフェアトレードの分類
実はフェアトレードといっても、いくつか種類があります。
日本に多いフェアトレードは大きく3つに分類できます。
<フェアトレード団体(WFTO)>
団体に対するフェアトレード認定になります。団体広報物にマーク掲載されますが、製品には掲載されません。
<国際フェアトレード認証ラベル>
製品に対するフェアトレード認証になります。製品が国際フェアトレード基準を遵守していることを証明しております。
<その他のフェアトレード>
日本に多いのはその他複数のフェアトレードです。
生産者コミュニティを直接取引し支援していることが多く、各企業や団体が独自に基準を設定しております。
WFTOや国際フェアトレード認証ラベルよりも厳しい基準を設定している企業や団体もあります。
日本では、WFTOなどが広まる前から、現地の生産者たちと直接取引し、生活を支援する団体が多かったことから、その他のフェアトレードが多い状況です。
フェアトレードは「世界の貧困層を救うため貿易構造を変えていこう!」という誰でも参加可能な草の根運動です。
国や企業の枠組みを超え、世界中の消費者が買い物を通じて、よりよい世界を目指すことができます。
フェアトレード製品を購入することで、生産者は安定した生活を送り、環境や自身に無理な負荷を掛けることなく、良質な作物づくりに励むことができるのです。
フェアトレードを学べるスタディツアーの紹介
フェアトレードの基本的なことを説明しました。
フェアトレードについて「もっと詳しく学びたい、体感したい」という人のために開催されているのが、スタディツアーです。
一般の観光ツアーと異なり、スタディツアーは旅を通じ「学ぶ」ことが目的になります。
過去に開催された、旅を通してフェアトレードを深く学べるスタディツアーの事例を紹介していきます。
現在、申し込み受付をしていないツアーもある可能性もあるので、今後のツアー選びの参考にしてください。
LOOB:フェアトレードやエシカル消費を現地でとことん学ぶ!
多くのフェアトレード生産現場に出向けるツアーです。
貧困層の手工芸制作の現場に入り、生産者との交流を通して、SDGsの目標12:「つくる責任・つかう責任」について掘り下げます。
また、子どもたちとの交流もあり、SDGsを教え一緒に考えることで学んでいきます。
日程 | 5泊6日 |
費用 | 54,000円 |
参加対象 | 16歳以上 |
出発空港 | 東京(羽田/成田)、大阪(関空/伊丹)、中部、福岡 |
ツアー詳細 | LOOB公式サイト |
acces:ネット・本・映像からは知ることができない、「発展途上国」のリアルに触れる旅に出てみませんか?
新型コロナウイルスの影響で中止になりましたが、フィリピンでホームステイして、農村暮らしが体験できるツアーです。
経験豊富なNGOスタッフがガイドし、見るだけでなくディスカッションや交流などの体験を重視しています。
日程 | 11泊12日 |
費用 | 171,000円 |
参加対象 | 制限なし |
出発空港 | 大阪(関空)、他空港も相談可 |
申込先 | acces公式サイト |
PASSPORT:津波復興タイ感ツアー サバンナのある島でホームステイ
自然、人々の暮らしなど地域の誇りを重視した体験型のツアーです。
フェアトレード生産者、児童養護施設訪問し交流ができます。
寝泊まりは、サバンナのある島でホームステイ。
訪問する地域は、津波の被災から驚異的な復興を遂げています。
なぜそうなったのかを実際に復興に携わった人に会って学べます。
村人や子ども達との交流では、様々な民族や宗教など多文化が共生する地域で人々との出会いがあります。
日程 | 6泊8日 |
費用 | 185,000円 |
参加対象 | 制限なし |
出発空港 | 大阪(関空) |
申込先 | PASSPORT公式サイト |
スタディツアーの参加者の声
「実際そんなに学びがあるの?」と思う方も多いでしょう。
スタディツアーを実際に参加した人たちの声を紹介します。
”価値観が変わるから…とかありきたりなことは言いたくはないのですが…単純に世界の広さを知れるチャンスですよね。自分の世界を広げるチャンス。そのチャンスは社会人になってからはやっぱりなかなか掴みにくい。僕自身にとっても、本当にやりたい仕事が何かに気づくことができた機会がスタディーツアーだったので、是非悩まずにこのチャンスに挑戦をして欲しいですね!”
”ツアーでは「考えが変わる」経験が沢山ありました。ごみ山にしても行く前は「無くなればいいのに」と思っていましたが、現地にはごみ山から収入を得ている人もいて、一概に無ければいいというわけではないということを学びました。ボランティアや支援にしても、現地の人がいてこその活動。本当に現地に貢献できる活動をしようと思えば、やっぱり一度は足を運んでみるべきです!本当に1週間で考えが変わる経験。ぜひ多くの人に参加して欲しいですね。”
”自分が想像していたよりもはるかに現地のフィリピン人達と深く関われた。自分の家族のことや昔の経験のこと、将来の夢、フィリピンや日本の国が抱える問題なども話せた。一緒にステイしたユースメンバーが心を開いて接してくれたことも嬉しかったし、本当に貴重な経験になった。思いを共有した人が日本を遠く離れた場所にいるということ、世界にも自分と同じように笑ったり悩んだり考えたりしている人がいるということは、とても心強いことだと思った。日本の子どもたち、もちろん大人たちにも私と同じような経験をたくさんしてほしい。そんな経験があれば、外国との文化や思想の違いに戸惑ったときに、乗り越えられる力になるのではないかと思った。”
引用:特定非営利活動法人LOOB JAPAN
百聞は一見に如かず、思いのほか得られるものがあったという口コミが目立ちますね。
またメンタル面での成長を感じる方も多いようです。
フェアトレードのオンラインスタディツアーのご紹介
魅力的なフェアトレードスタディツアーですが、今の時代、なかなか実際の旅行には行きにくいですよね。
そこで、自宅や学校からオンラインで参加できるスタディツアーはいかがでしょうか?
PARCIC:オンラインツアーin東ティモール ハーブのある暮らし
webブラウザから参加可能なオンラインスタディツアーです。
「ハーブのある暮らし」をテーマに東ティモールの農村の人々と交流します。
現地の女性たちの暮らしに触れ、フェアトレード製品のハーブティーづくりの現場を学べます。
内容 | フェアトレード生産者と中継で現場を学習 |
時間 | 1時間 |
費用 | 無料 |
ツアー詳細 | PARCIC公式サイト |
オンラインなら比較的低価格で、しかも大人数での参加も可能です。
また時間が数時間と決まっている分、1つのテーマを集中して学べます。
フェアトレードのスタディツアーに参加しよう
社会問題に関心がある生徒や社会問題を体感させてあげたい先生には、
安全で手軽に参加できるフェアトレードがテーマのオンラインスタディツアーをおすすめします。
フェアトレード。
それは世界を繋げ、よりたくさんの人々が幸せになっていく大切な取り組みです。
市場規模はまだまだ小さいですが、今後拡大していくフェアトレードを学び、取り組みに参加してみてはいかがですか?